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『書籍レビュー シリーズ「企画」 第10回:鉄道地図の謎から歴史を読む方法』

鉄道地図の謎から歴史を読む方法 08.09.23 野村 正樹 著

【はじめに】
昨年初めに「企画」について興味をもち、企画のことについて本を読み漁りました。
わたし自身は営業担当で、「企画」とはあまり関係のないポジションなのだとの認識でした。
けれども読んでいくうちに企画と営業は密接に係わっているのではないかと
考えるようになりました。
書籍レビューを通じて共通しているところ、していないところは何か。
営業のノウハウを企画ノウハウに置き換えることができないか。また、
実際の仕事や生活にどのように役立てられるかを考え、実践するべく
『書籍レビュー シリーズ「企画」』を企画いたしました。


シリーズ「企画」 第10回目は、

鉄道地図の謎から歴史を読む方法 08.09.23 野村 正樹 著


この著書は、国家のレベルでの企画をテーマに読みました。


明治~大正~昭和において中央集権国家を形成する企画に必要不可欠であった鉄道事業。
鉄道が初めて開業したのが、明治5年10月14日、
『新橋~横浜』間。


明治政府の目的は大きくは2つ。


ひとつ目は、
『新しい時代の幕開け』を国民に知らしめること。
明治新政府という汽車が汽笛を上げて出発。国民に認知させることで新しい時代の
“期待感”を盛り上げることが狙い。


そしてふたつ目は、
『富国強兵』
富国と強兵を超特急で成し遂げること。


なぜならば帝国主義の外国が虎視眈々と日本の植民地化を狙っていたから。
そもそも明治政府の誕生のきっかけは外国からの侵略を阻止することからでした。
欧米においつき、追い越すことでその身を守ろうとしました。


では、その後鉄道を使い、どのように企画していったのでしょうか。


『富国』の面では、
綿・絹の運搬と、石炭・鉄鋼の運搬。
綿・絹はドル箱で、石炭・鉄鋼はダイヤモンド。


綿・絹は外貨を得るためのドル箱。
石炭は汽車を動かすための燃料。
鉄鋼は汽車を自前で製造するための材料。
当時石炭はダイヤモンドといわれていました。


汽車、鉄道だけでなく、軍艦や銃器なども自前で生産できるように綿・絹で外貨を稼ぎ、
自前の技術レベルを上げ、自前での製造を可能にしていきました。


『強兵』の面は、
兵站としての機能。
兵士や兵器を迅速に運搬するためのものになります。
兵站機能の成果を大きく確認したのが、


『西南戦争』


「新橋~横浜間と、大阪~神戸間」
当時2万6千人もの兵士が鉄路を利用。移動期間は徒歩に比べて2、3日の短縮。
西南戦争によって鉄道のもつパワーを証明することができました。


明治政府は鉄道のパワーを認識するも、建設資金がなく建設がままなりませんでした。
そこで出てきたアイデアが民間での建設。私鉄の誕生です。


『法律』をもって民間による建設を可能とし、全国網羅できるように促進していきました。
政府の資金不足は『法律』をコントロールすることで補いました。
その後、『法律』を使い、国有化への流れとなっていきます。


これも『強兵』のため。


明治政府は『富国』と『強兵』を軸とした中央集権国家を企画するツールとして鉄道を
最大限に活用していきました。
日清・日露戦争から太平洋戦争終戦まで鉄道を中心に国家企画が続きます。


戦後は、中央集権国家の企画はそのまま引き継がれるも
『強兵』の部分がなくなり、
『富国』のみが中心となりました。


そして企画ツールは鉄道から
『新幹線』や『高速道路』へシフトされていきました。
その後、鉄道は民営化されることで国家企画の役割から完全に外れました。


けれども『新幹線』『高速道路』の建設するノウハウについては、
鉄道から引き継がれていることによって生きています。
詳しくは本書をお読みください。とても興味深いです。


現在、企画ツールとしての、
『新幹線』『高速道路』の役割は鉄道と同じく終焉しているように思えるのですがどうでしょうか。


そうだとすれば、次のツールは何になるのでしょうか。
なにより、国家企画そのものはどうなのでしょうか。


依然として中央集権国家なのか、地方分権に向かうのか。
どちらがいいのか。それとも別の企画なのか。
いい機会なので考えてみたいとおもいます。


この著書からは、国家レベルの視点で企画することについて考えるきっかけをもらいました。


本日も最後までお読みいただきましてありがとうございます。

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33回


カテゴリー: 書籍 2013-01-25 09:00 投稿者:木本 
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