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『書籍レビュー シリーズ「企画」 第4回:逆転の発想』
逆転の発想 83.05.30 角川書店 糸川英夫 著(リンクは新装版)【はじめに】
今年初めに「企画」について興味をもち、企画のことについて本を読み漁りました。
わたし自身は営業担当で、「企画」とはあまり関係のないポジションなのだとの認識でした。
けれども読んでいくうちに企画と営業は密接に係わっているのではないかと
考えるようになりました。
書籍レビューを通じて共通しているところ、していないところは何か。
営業のノウハウを企画ノウハウに置き換えることができないか。また、
実際の仕事や生活にどのように役立てられるかを考え、実践するべく
『書籍レビュー シリーズ「企画」』を企画いたしました。
シリーズ「企画」 第4回目は、
逆転の発想 83.05.30 角川書店 糸川英夫 著(リンクは新装版)
企画の前段階として発想法を学ぶことを目的として選びました。
糸川英夫博士は、工学者で戦前は九七式戦闘機、一式戦闘機 隼、二式単座戦闘機 鍾馗の
設計開発に携わり、戦後は宇宙開発の中心となるロケット開発、研究をされていました。
研究者としての業績もさることながら、プライベートにおいても、バレエやチェロ演奏をプロ並みにこなし、バイオリンそのものを研究題材にし実際に45年かけて製作、
演奏会まで開いたというスーパーマルチな博士です。
その糸川博士の頭の中はどうなっているのだろうと興味しんしん。一気に読みました。
発想法に興味をもって読みはじめるも、最初はリーダーシップ論。
「ん?発想法とリーダーシップと関係あるの?あるとしても優先順位が高いの?」
という疑問からのスタートでした。
しかし、発想から現実化に至るには“企画”が必要。企画は一人でできるものではなく、
多数の人間の関わりや協力のもとで“実行”し現実化していきます。多くの人の中で
進めていくためには、仕切る人間がいないと進めることができません。
ということは、いくら発想していても“企画”し“実行”がなければ現実化することはない。
ゆえに企画を現実化するための実行を仕切る人間の資質が重要なのだと考えました。
それでは、どのような資質が重要なのか?それは、、、
【幹事役】なのだそうです。
幹事役って、こなしたところでそんな評価されないし、かといってうまくいかなければ、まわりに怒られるしで、大変なわりに割を食うというイメージ。
実際に自分が幹事役をしたときもそのような感じでした。
しかし、幹事役がいなければなんにもできません。宴会をしたくても取り仕切る人が
いなければ会を開くことすらできないのです。
よくよく考えてみると、とても重要な役割なのだと気づかされました。
幹事役は参加メンバーに命令することはできません。
なぜなら、メンバーは命令を受け入れなくてもよいからです。
嫌であれば宴会に参加しなければいいだけこと。
では、幹事役はどうやって、参加メンバーに命令せずに動かすことができるのか。
それはメンバーそれぞれが別個の動機によってしか動かすことができないことを理解すること。
そのうえで相手の動機を企画実行する方向へ向けて進めること。
そういえば遠い過去、会ったことのない男女数名ずつが集まり、
おしゃれなお店でお酒をたしなむ会、ひらたくいえば、【コンパ】というものに
参加したとき、幹事役の言うことを聴いていたことを思い出しました。
ぼくだけではなく、参加メンバー全員、幹事役の言うことは聴いていました。
ではなぜ、参加メンバーは幹事役の言うことを聴いたのだろうか?
それは、ズバリ!彼女、彼氏が欲しいから。または結婚相手を探しているから。
ちょっと違う動機の方もいるかもしれませんけども。。。
ひとつ言えることは、それぞれが別個の動機をもっており、それを満たしてくれる場を提供し、
方向を指し示してくれるからこそ幹事役の言うことを聞くのではないでしょうか。
なぜなら幹事役がいなければ、会ったことのない男女が数名ずつが集まり・・・
ひらたくいえば、【コンパ】すら開かれることはないのですから!
これからの時代は所属長からの意志や命令で動かすリーダーではなく、
所属しているメンバーそれぞれの動機を察知し場を提供し利害調整ができる人物の存在が
重要なのだと理解しました。
それでは、優秀な幹事役になるにはどうすればよいか。
糸川博士は、『ハウ・アー・ユー?』『メイ・アイ・ヘルプ・ユー?』の精神が必要だと
説いています。
『ハウ・アー・ユー?』 直訳:あなたは今、いかなる状態にあるや
自分が行動する前に、まず相手の状態を聴くことからスタートさせる。
ぼく自身、相手の状態を確認せずにこちらの言いたいことから言っていることが多いなと
思いました。。。
『メイ・アイ・ヘルプ・ユー?』 直訳:私はあなたに何か手伝えることがないでしょうか。
自分はだれかほかの人に役に立つことがあるのではないかという発想。
その発想こそ人類が集団として生きていくうえで、また生活の向上や発展に必要なのでは
ないかと考えました。
この著書から、リーダーではなく、幹事役を目指すこと。そして良き幹事役になるために
ハウ・アー・ユー?で相手の状態をうかがい、メイ・アイ・ヘルプ・ユー?で相手に何か
できることはないかという発想を学びました。
これから“実行”してまいります。
本日もここまでお読みくださり、ありがとうございます。