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街の架け橋

『書籍レビュー:アーロン収容所』

アーロン収容所 73.11.10 中央公論社 会田雄次 著

この本は、著者が終戦をビルマ(現ミャンマー)で迎え、
約2年間イギリス軍の捕虜として送った過酷な日々の体験を記述しています。
捕虜といえば、シベリア抑留の強制労働を思い浮かべるのですが、
イギリス軍にも捕虜収容所があり、シベリア同様の捕虜生活を強いられました。

精神的に同じ人間としては扱わない。
生で食べれば赤痢になるような毛ガニを食べるように仕向ける。
決して殴ったり蹴ったりはしない。
しかし、猫がねずみを弄るような行為は、ジェントルマンのイメージの
イギリス人からかけ離れた、陰湿かつ理知的な残虐性が深く印象に残りました。

そのような過酷な状況にもかかわらず、生きて帰る希望を捨てることなく、
むしろ、毎日の捕虜生活の中にも、ほんの少しばかりの楽しみを見つけている様子が
人間観察の中に表れています。

登場するイギリス人、インド人、ビルマ人、日本人のそれぞれの立場や、
各民族の文化の違いや価値観の違いを思わずクスっと笑ってしまう
エピソードを交えながら描写されています。

笑うエピソードを書けるほど、余裕があったのだろうか?と思いましたが、
そういった意識でいなければ、劣悪かつ残虐な環境では生き残れなかったのでしょう。
どのような状況でも心に余裕を持つことが大切なのだと、この本から学びました。

また、過酷な状況でのつぶさな人間観察の描写をきっかけに、
登場した民族の特性や文化、習慣に興味がわいてきました。


本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

16回


カテゴリー: 書籍 2012-07-27 09:00 投稿者:木本 

高速バスの歴史 ~3~

【バスニュース】
路線バス会社の収益の軸となっている高速路線バス事業。
その事業に規制緩和の流れから参入著しい高速ツアーバス会社。

高速バスの歴史を振り返りながら、戦略や乗車サービスなど変化について
レポートします。


『高速バスの歴史 ~3~』

バブル崩壊後、バス事業の柱であった貸切バス事業が衰退する一方、
代わりの柱として高速バス事業が成長する。

各路線バス会社による新路線が次々と企画・施行され、
平成18年度時点では高速バス事業者が200社、
運行系統数は2,000本を超えるまでになる。
(国土交通省高速バス運行状況調べ)

関西エリアにおいては平成10年、明石海峡大橋の開通により
大阪・神戸・京都方面~四国方面の高速バスによる往来が活性化され、経済効果にも貢献。


一方、貸切専業バス会社においては、募集型企画ツアーバスを開始。
平成18年度まではスキーバスが中心で
都市間のツアーバスは一部あるものの、ほとんど認知されていなかった。

その後スキーバスの価格競争が激しくなり、またスキー人口減少のため
収益を上げることが困難に。
あたらしい収益確保のため東京~大阪などの都市間ツアーバスにシフトしていく。


都市間ツアーバスへのシフト要因として、インターネットの普及が上げられる。
インターネット上で集客、広告、予約、決済までを完結することが可能となり、
いわゆる【ウェブマーケティング】の登場で高速バス事業に劇的な変化が訪れる。

次回、≪ウェブマーケティング≫へつづく。


56回


カテゴリー: バスニュース 2012-07-20 09:00 投稿者:木本 

『書籍レビュー:デフレの正体』

デフレの正体 10.06.10 角川書店 藻谷浩介著


波の良し悪しで表現される景気判断。景気の波ってなにで判断されるのでしょうか。

『おたく景気はどう?』『ぼちぼちでんな』『いやいや、あきませんわ』という会話が
ぼくの地元ではよく交わされています。しかしこれは、景気の判断基準にはなりません。

この本は、あいまいな言葉の定義ではなく、『人口の波』の切り口から
【実数】を重視して客観的な数値を用いてデフレの正体を提示しています。
そのうえで事実を客観的に見つめ、これからの日本の成長戦略を提案されています。



~ キーワードは、『地域ブランド化』 ~

この本を読み、ここの場所でしか手にすることができない『商品』や『サービス』
それらから『わざわざ、行ってみたい』と思わせる価値のあるものは何かと考えていたところへ
7月8日付の日経MJ(流通新聞)の一面にぴったりの記事をみつけました。


廃校改装、驚き一層:わざわざいこう
海洋堂ホビー館四万十
http://www.hobbykan.jp/


・高知県四万十町内の廃校になった体育館を改装して、
 帆船や恐竜の模型など、1万点以上を展示。

・初年度来館者数は9万人を超え、東京や北海道に加えて
 アジアや南米からの訪問も多いとか。


これは、すごい。この記事にはデフレ脱却のヒントがたくさんあふれていました。
もともと、四万十町は日本一の清流で有名な四万十川を有するアウトドアの聖地。
ここでアウトドアを体験すると、ついつい四万十川にハマってしまうそうです。
とはいえ、来てもらわなければ体験してもらえません。

そこで、海洋堂ホビー館。親子連れ、いやお爺ちゃんお婆ちゃんもいっしょに
海洋堂ホビー館をきっかけにして自然たっぷりの四万十川にふれると、
四万十地区が大好きになるのではないでしょうか。
繰り返しやってきたいと思うのではないでしょうか。

一気に『地域ブランド化』となるホットな事例だと思いました。
しかし、このあとがまたすごい。


・7月7日には『かっぱ館』を開業。今後もホビー館の増床、別の廃校の博物館化も予定。


お客さまを飽きさせないよう二の矢、三の矢も用意している経営センスに、
思わずうなってしまいました。

今回は書籍のレビューから実例に触れていきましたが、すばらしいアイデアが豊富で
これからの地域活性化のモデルになるのではないかと思いました。
今度、実際にレポートしてみたいです。


海洋堂ホビー館四万十  ※開くと獣たちの鳴き声が!
http://www.hobbykan.jp/

〒786-0322 高知県高岡郡四万十町打井川1458-1
TEL : 0880-29-3355
FAX : 0880-29-3356
Email : info@hobbykan.jp


本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

16回


カテゴリー: 書籍 2012-07-13 09:00 投稿者:木本 

高速バスの歴史 ~2~

【バスニュース】
路線バス会社の収益の軸となっている高速路線バス事業。
その事業に規制緩和の流れから参入著しい高速ツアーバス会社。

高速バスの歴史を振り返りながら、戦略や乗車サービスなど変化について
レポートします。

『高速バスの歴史 ~2~』

平成3年以降、バブル経済の崩壊から交通環境は大きく変化してきた。
特にデラックス観光バスの需要衰退が大きく、特に関西地区においては
大手観光バス会社が倒産、会社整理で大幅に縮小される。


そのさなか、更なる打撃となる規制緩和の波がバス業界にも訪れる。 

1.平成12年2月に施行された改正道路運送法により貸切バス事業が免許制から認可制へ。
2.免許申請のための要件が緩和され申請自体も簡素化された。
3.車歴年数は問わず最低車両5台以上保有することで認可される。

これら規制緩和によりバス業界への参入障壁が低くなり、
小規模事業者のバス業界参入が激増。


結果、貸切バス事業社数は規制緩和以前に比べて、
2倍近くの約4,100社にのぼることとなった。
(平成20年現在 総務省行政評価局調べによる)

バス会社の急増がもとによる価格のダンピング競争で各社は疲弊。

貸切バス事業が縮小していく中で、高速バス事業が路線バス会社の収益の大きな柱として成長していく。

≪3≫へつづく。


27回


カテゴリー: バスニュース 2012-07-06 09:00 投稿者:木本